北信濃のブナ原生林を訪ねた。
まずは木島平村・カヤノ平。
標高は、駐車場〜北ドブ湿原までおよそ1,500〜1,550m程度の緩い勾配の地形。
森の入り口はシラカンバとダケカンバの混交林。ここは両者が重なる標高なのだ。
この樹たちの樹皮は白っぽく、紅葉は明るい黄色・・・秋から冬にかけては、小さくて軽い、おびただしい数の種たちが風に乗って飛ばされる。それに先駆樹種でもあるから、なんとなく軽やかなイメージの樹木。
その後ろにブナ林が広がっている。
下層は落葉が進んでいるため見通しが良い。しかし極相林だから、おそらくグリーンシーズンでも下層の植生はそう多くないはず。
樹冠も、幹と幹の間も、目の前のすべての空間がブナの樹林で充たされている。その景観に圧倒される・・・
倒木で道が塞がれたために伐採してあった直径20cmほどのブナの年輪を数えるとおよそ60年。
だとしたら、この森の、直径70、80cmもあるブナたちはいったいどれほどの年月を重ねているのだろう。
まさに、人間の尺度を超えたブナの樹齢が、原生林の圧倒的な存在感につながっている。
ヤマウルシの紅葉。日当たりの良いところにいるヤマウルシは、とびきり赤くて目を引くけれど、林内の紅葉は少しやわらかい。
これはヤマウルシの種子。
茶色いカバーが外れると、白い乾果が顔を出す。ここにミネラル分などの栄養が含まれていて、鳥たちを呼んでいる。
さあ、レストラン、オープンですよ🎶
林内にはコシアブラが多い。
コシアブラは葉の葉緑素が分解すると、紅や黄が現れるのではなくて、そのまま色を失っていく。その白さが逆に印象的。
コシアブラの種。味見するのを忘れてた、少し後悔・・・
幾重にも重なる紅葉、黄葉