今年もやってきた、ヤグルマギクの季節が。
ここは安曇野市内の麦畑。
今年はほとんどヤグルマギク(ヨーロッパ原産の帰化植物)のお花畑になってしまった。
麦はかろうじて合間から育っているが、探さなければ見つからないほど。
ヤグルマギクはツタンカーメン王のお墓から出てきたり、マリー・アントワネットにも愛された由緒ある?植物らしい。なんと、ドイツやエストニアの国花にもなっている。
日本には最初は明治の頃、園芸植物として入ってきたようだ。
原種の花の色は青く、紫や赤っぽいのや白いのは、品種改良されたもの。
苗や種も売られていて、庭先に大切に咲かせてあるようすを見かけることもある。
だから、このいちめんのヤグルマギクを見て、きれいなお花畑でいいね!と思う方も多くおられると思うが、麦畑に入ったら最後、収量を5〜8割も減らす、強害雑草となるのだ。
ここではもう、ヤグルマギクが9割を超えているのでは?と思うほどの繁殖力。3年くらい前から見ているのだが、今年は今まででもっとも花盛りのように見える。
もう少しするとここにナガミヒナゲシが加わり、彩りを添えるのだが・・・
一方では大切にかわいがられ、他方では大変なやっかいもの扱いされ、敵対されるという、なかなか興味深い植物である。
しかし!
お隣の麦畑では、2年前から収穫後、数ヶ月間圃場に水を張り滞水させるという対策で、ヤグルマギクの撲滅に大成功していた。1年草だから、苦手な環境に数ヶ月もいたら、種は死滅してしまうのだ。
農家も負けてない。私も、今年はやりましたね!と、心の中でつい応援している。
こんなふうに、毎年モニタリングさせてもらっている麦畑なのである。