かわいく強い!ヤグルマギク

By siki, 2019年5月23日

今年もやってきた、ヤグルマギクの季節が。

ここは安曇野市内の麦畑。
今年はほとんどヤグルマギク(ヨーロッパ原産の帰化植物)のお花畑になってしまった。

麦はかろうじて合間から育っているが、探さなければ見つからないほど。

ヤグルマギクはツタンカーメン王のお墓から出てきたり、マリー・アントワネットにも愛された由緒ある?植物らしい。なんと、ドイツやエストニアの国花にもなっている。

日本には最初は明治の頃、園芸植物として入ってきたようだ。
原種の花の色は青く、紫や赤っぽいのや白いのは、品種改良されたもの。
苗や種も売られていて、庭先に大切に咲かせてあるようすを見かけることもある。

だから、このいちめんのヤグルマギクを見て、きれいなお花畑でいいね!と思う方も多くおられると思うが、麦畑に入ったら最後、収量を5〜8割も減らす、強害雑草となるのだ。

ここではもう、ヤグルマギクが9割を超えているのでは?と思うほどの繁殖力。3年くらい前から見ているのだが、今年は今まででもっとも花盛りのように見える。

もう少しするとここにナガミヒナゲシが加わり、彩りを添えるのだが・・・

 

一方では大切にかわいがられ、他方では大変なやっかいもの扱いされ、敵対されるという、なかなか興味深い植物である。

 

しかし!

お隣の麦畑では、2年前から収穫後、数ヶ月間圃場に水を張り滞水させるという対策で、ヤグルマギクの撲滅に大成功していた。1年草だから、苦手な環境に数ヶ月もいたら、種は死滅してしまうのだ。

農家も負けてない。私も、今年はやりましたね!と、心の中でつい応援している。

こんなふうに、毎年モニタリングさせてもらっている麦畑なのである。