「秘密の花園」と呼びたくなるような場所が、いくつかある。
厳密には「秘密」ではないのだけれど、
多くの人に、その場所や価値を知られていないところ。
長峰山だって、そうだと思う。
長峰山の山頂草原も蝶の森の草原も、すばらしい秘密の花園だと思ってる。
ほとんどの人は、いい眺めだね、いい森だね、と歩いたり眺めたりしていて通り過ぎる。
それでもまったくOK!なのだけれど
でもそこがすばらしい花園だって知ってたら・・・
私にとって魅力的な花園は、
太古から育まれたその地の自然に、人の手がはいることで、
オープンで明るい環境となり、多様な草花が生き生きと命をつないでいるところ。
自然に任せていることによって、
そこには、特別な驚きや計り知れない自然の姿があらわれるから。
6月の終わりに訪ねたところは、
あまりオープンにはしていないので、やや本当に「秘密の花園」といえる。
そこには周辺の地域では(全国的にも)、軒並み激減してしまった動植物たちが暮らしている。
その環境は、この地を愛するひとりの男性の手によって保たれているのだ。
その花園には湿地があり、そこには日本一小さなトンボ、ハッチョウトンボがたくさん生息している。
トキソウがかわいらしく満開。
ヒツジグサ。スイレンではなくて。
アサザが咲き始めていた。まわりでたくさん蕾があがっている。いちめんに黄色く咲くのだそう。
草原の花たちはまだこれから、というかんじ。
ササユリがひときわ大きく、あちこちに咲き誇る。
湿原にはヨシも多く生えていて、「ヨシは刈っているんですか?」と尋ねると
「刈ると他の植物に影響があるから、一本一本に除草剤を塗っているんだよ。
そうすると根っこまで枯れるからね。このまえ200本くらいやったかな、疲れちゃったけどね!
ほら、あのヨシ、黄色くなってるでしょう。」
彼の細やかな心遣いと手の入れようが伝わってくる。
この日は子どもたちと、自然観察のおさんぽも兼ねていた。
小さい子が見つけてくれたのは、トンボの羽化。
「なんか大きい虫がいるよ」というのでみにいったら・・・はじめてみたよ!
小さい子どもたちの発見力ってほんとにすごい。
豊かな時間だなぁ、とじんわり感じた、梅雨の合間の1日。