秘密の花園

By siki, 2021年7月7日

「秘密の花園」と呼びたくなるような場所が、いくつかある。

厳密には「秘密」ではないのだけれど、

多くの人に、その場所や価値を知られていないところ。

 

長峰山だって、そうだと思う。

長峰山の山頂草原も蝶の森の草原も、すばらしい秘密の花園だと思ってる。

ほとんどの人は、いい眺めだね、いい森だね、と歩いたり眺めたりしていて通り過ぎる。

それでもまったくOK!なのだけれど

でもそこがすばらしい花園だって知ってたら・・・

 

私にとって魅力的な花園は、

太古から育まれたその地の自然に、人の手がはいることで、

オープンで明るい環境となり、多様な草花が生き生きと命をつないでいるところ。

自然に任せていることによって、

そこには、特別な驚きや計り知れない自然の姿があらわれるから。

 

6月の終わりに訪ねたところは、

あまりオープンにはしていないので、やや本当に「秘密の花園」といえる。

そこには周辺の地域では(全国的にも)、軒並み激減してしまった動植物たちが暮らしている。

その環境は、この地を愛するひとりの男性の手によって保たれているのだ。

 

その花園には湿地があり、そこには日本一小さなトンボ、ハッチョウトンボがたくさん生息している。

トキソウがかわいらしく満開。

ヒツジグサ。スイレンではなくて。

アサザが咲き始めていた。まわりでたくさん蕾があがっている。いちめんに黄色く咲くのだそう。

草原の花たちはまだこれから、というかんじ。

ササユリがひときわ大きく、あちこちに咲き誇る。

ウツボグサ、レンゲツツジも満開。

湿原にはヨシも多く生えていて、「ヨシは刈っているんですか?」と尋ねると

「刈ると他の植物に影響があるから、一本一本に除草剤を塗っているんだよ。

そうすると根っこまで枯れるからね。このまえ200本くらいやったかな、疲れちゃったけどね!

ほら、あのヨシ、黄色くなってるでしょう。」

彼の細やかな心遣いと手の入れようが伝わってくる。

 

この日は子どもたちと、自然観察のおさんぽも兼ねていた。

小さい子が見つけてくれたのは、トンボの羽化。

「なんか大きい虫がいるよ」というのでみにいったら・・・はじめてみたよ!

小さい子どもたちの発見力ってほんとにすごい。

 

豊かな時間だなぁ、とじんわり感じた、梅雨の合間の1日。