温泉の寄り道

By siki, 2021年9月28日

鹿教湯温泉という、いかにも湯治にぴったりなよいネーミングの、古くからの温泉町がある。

先日、上田方面へ行くことになり、ちょっとだけ寄り道して鹿教湯温泉に入っていくことにした。

日帰り温泉でネット検索し、おお、よさそう❣️と思って到着すると、なんとその旅館は閉鎖….あら残念。

2番目に訪ねた旅館のお風呂は「混浴なんですがいいですか?」と聞かれ、「え?!いえ、よくないです…すみません、ほか探します〜」と退散。

 

かように、ネットの情報はまったく当てにならないことがわかり、

公共の日帰り温泉にするしかないかな、と少し離れた駐車場に車を止めて歩いて向かっていたところ。

通り過ぎようとした、こじんまりした旅館の表に、なんとも魅力的な看板が。

そうそう、

こんな出会いがなくちゃ、おもしろくないね!

 

玄関を入ると、そのロビーはとってもかんじのよい空間だった。

歴史を経ているけれど、すっきりとそうじが行き届いている。

大切にお客様を迎える空間であるように、その姿勢が伝わってくるような。

 

対応してくれたのは、とてもやさしそうな(ジブリ映画に出てきそうな)年配の男性だった。

「今日のお客様は朝、帰っていかれて、だれもいないので、どうぞゆっくりしていってくださいね。」と。

 

さて、お風呂は。

これまた広くはないし古いけれど、こじんまりと空間がほどよくおさまっているかんじ。

川に面していて、ガラス越しに外の景色がゆったり眺められる。

手前のカエデの樹は植えられたものかな? やはり急斜面だからケヤキだね。

紅葉が少しはじまってきてるなぁ。。。

 

温泉口は温泉成分の結晶が付着して、白くでこぼこなっているのだが、それを羊にみたてているなんて、なかなかよいセンスだね。

 

とにかく、貸切だったから、とてもぜいたくな時間を過ごすことができた。

未知のことのほうを選んでみる、その選択も含めた経験は、たとえ失敗したとしても、私にとってじゅうぶんな価値がある。そんなことを再確認した、温泉の寄り道だった。