2日目朝、宿を6時に出て、Uberでバス停へ向かう。写真はバスの乗り場からの眺め。
外はまだ暗く、宿の外には朝まで遊んでいる人たちもいて、ドキドキしながら出るも、通信状況があまりよくなくてUberがすぐに見つからず焦る。危なくなったら宿にすぐ戻ろうと思いながら周りをうろうろしていると、車が近づいてきて、依頼したUberと判明。ほっとして乗り込む。Uberが普及していてほんとに助かった。(あとで待機時間の分、ちゃっかり加算されてたけどね)
バス停の施設の周りは少ないけれどホームレスの方もいて、ここでも緊張してバスを待つ。幸い、いかにも登山に行く格好の女性が一人いて、ヨセミテに行くの?と声をかけるとそうだというのでほっとする。
予定通り、列車アムトラックに接続するバスが来て、サンフランシスコの対岸のオークランドにあるエメリービル駅まで移動した。
やわらかい夜明けの中を、バスは30分ほどゴールデンゲートブリッジじゃないブリッジを超えて駅に到着。駅舎はあるけど改札口はなくて、そのまま列車に乗り込むシステムらしい。
列車に乗ると、さっそく恰幅のいい乗務員の男性が来て、チケットをチェック。
行き先の頭文字を書いて座席の上に挟んで把握するというシステム。
ここからマーセド駅までおよそ3時間の列車の旅。海岸線から内陸へと入っていく。
かなり長い時間、列車は海岸線沿いを走っていた。湾から次第に汽水域に入っていく。
ヨシ原のような湿地があったり、水域に水鳥の群れがきているところがあったりして興味深く眺める。google地図を見ていると、工場などの合間に、「Wetland Preserve」(湿地保護区)「National Wildlife Refuge」(国立野生動物保護区)などのエリアが示されていた。
保全の線引きをしていないと、あっというまに開発されてしまうんだろうな。
時間が長いのでのんびりした気持ちでいると、2時間くらい経ったところで、列車が止まった。しばらくして乗務員のおじさんがやってきて、衝突事故が2件あったので列車が遅れると説明しにきた。車内は騒然するも、成り行きを見守るしかない・・・・そのうちにようやく1時間ほどして、列車が動き出した。この先がわからないから、車内売り場のホットドッグで腹ごしらえ。温かい食べ物がうれしい。
これは列車が止まっていた時に写した風景。一面の緑は湿地の植物っぽい。
そして手前に見える枯れた植物は、日本にもやっていている帰化植物のヒメムカシヨモギでは?!
あなたのお住まいはこちらだったんですよね。
さて、1時間遅れで列車はマーセド駅に到着。果たして、接続する予定のバスはすでに出てしまっていた。時間はほぼお昼だったが、次のバスが出るのは17:50なのだ・・・・
マーセド駅で降りた人は10人ほどで、皆さんヨセミテに行きたい人たちのよう。17:50では遅すぎる、なんとかならないの、と何人かが窓口で聞くも、こちらではわかりません、次のバスに乗ってください、と対応はなし。(そして窓口の向こうで大声でおしゃべりしてる、あはは)
みなそれぞれにどうするか決めて、結局、Uberでシェアして行く人たちが出てくる。私が朝、声をかけた若い女性はそんなお金はないといって、どこかへ行ってしまった。私はどうしようか・・・
みんながそうやって駅を去って行く中で、困ったねえ、となんとなく台湾から来た親娘3人と話すようになって。彼らはヨセミテ公園のホテルに宿をとっており、私はその途中に宿がある。私を途中で降ろしてくれるなら40ドル払います、と伝えたら、彼らもいいね、と言ってシェアすることになった。
しかし彼らは1ヶ月近くもアメリカ旅行をしていて荷物がとても多いため、大型の車を確保しなければならないのだけど、大型車がなかなか捕まらない!
私はひとりでUberを頼んで出発することもできたのだけど、夕方までに宿に着けばいいと思っていたし、なんとなくおもしろい成り行きだったので(笑)、彼らが車を確保できるのを見守っていた。大変しっかり者の娘さん(聞けばお医者さんだった)が必死で動き回り、近くの人に声をかけて協力してもらって、ようやく2時間後に車が捕まった。結局、私は50ドル出すってことで、いっしょに乗っけてもらう。
およそ1時間、私はカタコト英語で話をしながら、でも楽しく、宿まで送ってもらった。
これは車から撮影した写真。内陸はすっかり乾いた大地である。
私の宿はバス停から少し歩かなければならないため、台湾のお父さんが「こんなところ大丈夫?」「女性一人なのに」としきりに心配してくれた。
このファミリーとは、後日、ヨセミテ公園内で2回ほど、うれしく再会したのだった。
さて、宿で車を降ろしてもらい別れを告げ、私はチェックイン。宿はホテルではなくて、敷地内にさまざまな宿泊施設が点在しているスタイルだ。私の今日の宿は暖房付きのこじんまりしたキャビン。
・・・・・
いよいよ、ここを拠点に4泊(まるまる3日間)、ヨセミテを楽しむ日々が始まった。
最初はとても不安だったけれど、幸運にも翌日の朝、ヨセミテ行きのバス停でひとりの女性Katrina(60代くらい)と出会い、私の不安はすっかり溶かされた。彼女もひとり旅で、同じ宿のドミトリーに泊まっており「ここには前にも泊まったけれど、安全なところよ。ファミリーやカップルが多いけれど、ひとりでもだいじょうぶ。リラックスして楽しめるわよ。」という。しかも私と完全に同じ日程で滞在して、ヨセミテに通う、という偶然。
彼女の言葉とひとり身軽でキュートな佇まいに励まされて、私のヨセミテがスタートした。