ヨセミテ国立公園で、来訪者を最初に迎えてくれる玄関口はビジターセンターだ。最初から、この壮大な景観に圧倒される!
ヨセミテバレーの中心はこのヨセミテヴィレッジである。ヴィレッジ(村)というのはあれこれ施設が集まっているところだから。
事前の情報もネットにあるけれど、このビジターセンターのカウンターには2〜3人ほどのスタッフが常在していていろいろ教えてくれる。
ここにはいつも人が並んでいて、みんなどんどん尋ねていた。私も最初にここでハイキングコースのマップをもらったり、ジャイアントセコイアが生育しているのか、質問もしてみた。
基本的な道路状況、お天気や気温などの情報を表示。
気温は、朝早いと10℃くらいまで冷え込むので、フリースにダウンジャケットの重ね着が必要だったが、昼ごろは20℃以上になり半袖になって歩いた。
宿泊はいつも不足していて、キャンプ場も満杯のよう。
ヴィレッジ、というだけあって、基本的なことはこの周辺でそろうようになっている。
左下はヴィレッジ・ストア。食料品からギフトまであって、私はお水や行動食のクラッカーなどを購入した。それから、North America版の野草と樹木の図鑑と哺乳類と鳥類は主なものがわかるシートなどを。
日本のように、ヨセミテあるいはシエラネバダで見られる植物とか、そういうまとめかたをしている気の利いた図鑑があるといいのにな。
お昼ご飯は、Degnan’s Deliというピザやサンドイッチなどを出してくれるところがあって、セミオーダーのサンドイッチを。タッチパネル(日本語も対応)でパンの種類やはさむ具を選んでオーダーすると、隣のガラス張りのキッチンでつくってくれて、できたら名前を呼ばれるので受け取る、というシステム。
ほかにももっとバリエーションのあるすてきなレストランもあってのぞいたけれど、とにかく自然を見て回るのが優先だったから、お腹が減ったらここに来て、サンドイッチとコーヒーでほっと一休みして、また出発する、というのを繰り返した。
しかもこのサンドイッチはとても大きかったので、半分は夕ごはんにも。
左は2日目。コーヒーとサンドイッチで10ドルちょっと。ソースもおいしい。
ビジターセンターの隣にはヨセミテ博物館があり、先住民のネイティブアメリカンに関する展示。これが古いせいもあって、いまいちだったので略・・・逆にビジターセンターの展示はとてもよかったので後ほど紹介したい。
ヨセミテバレー内は無料のシャトルバスが循環していて、移動には便利。
午後はそのバスでヨセミテバレーロッジまで行き、ツアーの窓口にいくと、Vally Floor Tour(見所を一周してくれるガイド付きツアー)があと2名とある。
まだ地理感がつかめていないし、歩いていくには時間がかかるところも回ってくれるし、良さそうなところをチェックしておいて、あとでゆっくり歩こうという考えもあって、思い切って申し込んだ。
ガイドはレンジャーが務めているそうだが、サンタクロースみたいな男性が、運転しながら2時間ずっと解説してくれていた・・・
さて、まずはなんといっても、この岩壁・El Capitan(エルキャピタン)。
花崗岩としては世界最大の一枚岩。谷底からの高さは996m!!
スケールが大きすぎて実感がわかない。
ロッククライマー憧れの岩だそうで、普通3〜6日かけて登頂するのだとか。双眼鏡でよく見たら、小さな人影が数人見えてびっくり!右の写真の中央から少し左に見える黒い点、3人ほどいる・・・
エルキャピタンはまさにヨセミテバレーの主という風格。バレー入り口の右岸側に位置し、行きには迎えてくれ、帰りには見送ってもらっているような感覚だった。
絶景ポイントのValley View。
ヨセミテバレーをゆったりと流れ下るマーセド川。その左手がエルキャピタン、右にはブライダルベール滝が見える。その奥にカテドラルロック。川の流れは緩く、岩が合わせ鏡のように美しく映る。
このようにヨセミテバレーというのは、深さ約1000m、幅1600mの大きな谷である。深いV字谷からこのようなU字谷になったのは、約7万年前の氷河時代に厚さ1000mの氷河に覆われ、谷が氷河に削られたためという。
国立公園の父ジョン・ミュアの働きによって、ヨセミテは1872年に国立公園となった。彼はこのヨセミテバレーを「自然の造った最高の宝物が詰まっている」と表現した。
そして、さらにその谷を上流のほうへ移動しての絶景ポイント、Tunnel View。
マーセド川は森に隠れて見えず、谷は針葉樹の森に覆い尽くされているように見える。そこに切り立つ花崗岩の絶壁。奥にはハーフドームと呼ばれる岩も見える。
目の前の景観に圧倒されっぱなしの初日だった。スケールが大きすぎる・・・