Yosemite⑥ レンジャーと歩く

By siki, 2019年11月16日

このかっこいい制服の女性は、もちろん、国立公園のレンジャー。

ビジターセンターで質問に答えたり、こんなふうにガイドをするのは「インタープリティブ・レンジャー」と呼ばれる人たち。ほかには銃を持っていて警察のように逮捕権をもち、公園内の安全を守るレンジャーや、環境調査を行う「ウィルダネス・レンジャー」などがいる。

最後の3日目、毎日行われているレンジャー・ウォークに参加してみた。プログラムのタイトルは「Inspired generation(インスピレーションを受けた世代??)」抽象的なタイトルだ。

最初に参加する人たちが集まると、自己紹介。

レンジャーのお名前はケイト。金髪の長い三つ編み、そしてイヤリングやたくさんの指輪は、ネイティブアメリカンのもの。

 

ビジターセンターから歩いて移動、それぞれポイントとなる場所で止まって解説が行われる。

 

会話のキャッチボールしながら、ひとりひとりの顔をちゃんと見ながら解説する。

このブラック-オークの樹林の下では、300年前に住んでいたネイティブアメリカンのアワニー族の話。そして、acorn(どんぐり)が果たす役割について説明。

 

 

草原の中でブラックベアの話。

すてきなかごに入っていたのは、クマの毛皮や頭蓋骨だった。

必ずちゃんと、ひとりずつ見せて、触らせる。

 

 

 

 

 

通りすがりのおじさんが「ちょっと触らせて」といって、毛皮を触っていった。

 

 

 

 

あるブラックベアにつけられたGPSの記録。1時間ごとのポイントを落とした地図を見せてくれる。

行動圏がかなり広いこと、そして夜はキャンプ場を徘徊していることがわかる。

 

 

 

これは草原の中に植えてあるリンゴの木。このあたりは一度人間によって開発され、牧場やリンゴ畑になった歴史がある。このリンゴは記念に残された1本のようだ。

しかしこの樹に実ったリンゴを食べるブラックベアの写真もあった。人間の影響によって、クマの食性が変わってしまうのだ。

 

レンジャーのケイトからは、「ニューヨークのセントラルパークもとてもすばらしいところですね。人々が自然の中で楽しむところとしては、このヨセミテも同じ。だけど、ヨセミテと都市の公園は、何が違うのでしょう?・・・私たち人間が自然を享受することと野生の生き物たちの生態が守られること、この2つを実現するためにはどうすればいいのでしょう?」という質問を参加者に投げかけられる。

「最後に、私たちにとってとても大事な場所があります。」といって彼女が連れていってくれたのは・・

私がずっと探していた、ジャイアント-セコイア!!

近くにはインセンス-シダーがあって、両方の葉を触らせて、違いを発見してもらう。

彼女の説明では、この樹木が育つためには「土地にちょうどよい水分」が必要とのこと。だから乾燥しているヨセミテ- バレーには少ない。

これでもベイビーですよと彼女はいう。

今回は行かれなかったけれど、ヨセミテ公園内には「マリポサ-グローブ」というジャイアント-セコイアの原生林があり、樹齢2700年というレベル(日本は縄文時代!)それに樹高は80mにもなる樹木。信じられない高さ!

 

松ぼっくりはたしかに、セコイヤの仲間だ。

レンジャー・ハットにはこの球果がデザインされ彫られた金バッジがついていて見せてくれた。これがヨセミテ国立公園のレンジャーのバッジなんだそうだ。すてき。

 

 

ここで解散となったので、そのままひとりで残って、しばらくジャイアント-セコイヤを観察して、最終日を終えた。(観察してる時に、ブラックベアがセコイヤの向こうを駆けていったのだ)

最後の最後に、出会えてよかった。