ランダム編つづき。
ヨセミテ公園内にある、有名な歴史ある「アワニーホテル」。スティーブ・ジョブスが結婚パーティを開いたり、大統領が泊まったりするほどのホテル。ガイドブックにはビジターも入れると書いてあったが、あまりにも立派な外観で、リュックを背負ってはさすがに遠慮してしまった。
近くの森を歩いていると、近くにアワニーホテルのコテージがあるらしく、きちんとしたかんじのポーターさんがトランクを運んでいた。”Hello”とにっこり。映画のワンシーンのよう。
さて、これはブラック-オークの森。少し傾いた陽光に照らされて輝いている。
これは金網で保護されたブラック-オークの幼樹。樹をかじるのは、日本と同じようにミュールジカだろうか?
このあたりにブラック-オークの森を復活させるという看板がある。
私は日本の森を想う。コナラやミズナラを主体とした雑木林には、もっと多様な樹木があって、紅葉は複雑な美しさをもっている。
やはりその風土に根ざした、魅力的でかけがえのない植生がつくられるのだ。優劣ではなく、それぞれの植生の素晴らしさがあることを実感する。
ヨセミテ-バレーの自然の見どころのひとつは、マーセド川に沿って広がっているmeadow(草原)と呼ばれる植生。この植生も山火事によって維持されているらしい。日本よりは森林化は遅いと思うが、そのままにしておくとマツが入ってきてしまうと、レンジャーが残念そうに言ってた。
看板には、あなたが、整備された道と木道を歩くことで、この復活した草原のネットワークを維持することにつながります、と。
「あなたの行動が」という伝え方は大事かもしれない。
わぁおもしろい種子がある、これはガガイモの仲間だ!と喜んでいたら、解説板を見つける。
英名Milkweed 和名はトウワタ?(Milkは茎を折ると白い液がでることから。日本のガガイモも同じ。)
渡りをすることで有名なMonarch(オオカバマダラ)の食草だったのだ。Milkweed はアルカロイド系の毒をもち、それを食べて幼虫は毒を持つようになる。
ガガイモから幼虫が毒を得ること、体の白いドット、渡りをする生態…まさにアサギマダラの仲間だね。
ほとんど枯れあがっていた植物たちが夕日に照らされて、それもまた風情があった。
草原をあとにして、私のヨセミテは終わりを迎えた。
またいつか。