映画『みんなのアムステルダム国立美術館へ』

By siki, 2015年3月28日

みんなのアムステルダム国立美術館へ公式サイト

大改修に10年もかかったアムステルダム国立美術館。ゴタゴタの内幕がオープンに、しかも美しく見応えのあるストーリーとして映画になっている。

 

この映画を見ると、「民主主義」というテーマを受け取るのはなぜだろう?

オランダだって、みんな人は人間くさくて感情的になっていたし、意見の内容もそんなに私たちと違うとは思わなかった。強いて言えば、議論の場ではみんな決して「キレ」たりせずに、どんなにムカついても、必死に冷静でにこやかにふるまっていた点はさすがだと思った。

 

じゃあ何が違うのだろう? 私が感じたのは以下のこと。

●行政の計画にNO!という多くの市民がいたこと

●地区の議会が全員反対したこと

●反対に対して、柔軟な対応が保障されていること

 

では日本では?

○NO!という市民はいる。だけど大きな声にならない。

○行政でGOが出れば、議会はだいたい賛成する構図が多い。

○そうなれば、市民の声は流され、計画が延期されるなんていうことはほとんどない。

 

松本市のイオンの計画にしても、リニアの計画にしても、中心で声を上げている人はいるのだ。だけどそれが広がらない。「他人ごと」で終わる人の多いこと…大多数の人が無関心であり、諦めてもいる。

諦める気持ちもわかる。行政の計画はいつも一方的で、議会も含めて、あちら側はすでに話ができていている。パブリックコメントは形だけのものばかりだもの。言ってもムダだと、思うことばかりだ。

それに、年度の予算で遂行しなければならないことばかりで、延期になることはほとんどない。

 

それに、ああ、この映画が示しているように、民主主義ってめんどくさい!

でも、戦争につき進むより、どれだけマシだろう。平和ボケなんて言われようとも。

アブナイ国にならないために、私たちがもっている今現在ベターなもの(マシなもの)は、「民主主義」しかないのだ。民主主義の欠点なんていくらでもある、でもゆずれない利点があるのだということ。

日本でだって、風穴をあけられるところを探したい。そこを諦めてはいけない、きっと。