木曽の森と碧い流れ

By siki, 2020年8月29日

盛夏に訪れた王滝村ウグイ川。

国有林内にあり、ウグイ川にそって林道を歩いて行く。

日差しは強く、緑陰の濃い影に包まれながら。

時にかなり古い苔むした石垣がみられる。

ヒノキかサワラの大きな切り株。

このガラガラの斜面の森はきっとサワラ。

 

天然更新のダイナミズムを目の当たりにする。

大きな木が倒れ、そしてそこにギャップが生まれる。ラッキーな若い命が光を浴びて勢いを増す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切り立った岩肌も多い。樹木たちにとっては過酷な環境だろう。

これが木曽の地質であり、そこに日本一といわれる木曽五木の森が成立しているのだ。

 

森林鉄道の名残を見つけた。

ああここはそれほどのヒノキやサワラの産地だったのだ。

おそらく江戸期から続く…..

 

森林鉄道の時代にはどれほど賑わい、そして多くの樹木が伐られて運ばれたことだろう。

今も残るここの樹木を見ると、保護されてきた他の森よりも、樹木の直径は大きくない。

江戸の頃は、きっとこのウグイ川を利用して木材が運ばれていたことだろう。

 

 

 

これは河原沿いのヒノキの樹林。

大きさがまちまちなので、おそらく天然更新だと思う。

人為的な誘導もあるかもしれない。比較的若い木が多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クサギの花に吸蜜にやってきたミヤマカラスアゲハ。

 

なぜか生き物の影が少なく、ほっとする場面。

 

 

 

 

圧巻だったのが、清流の澄んだ碧さ。

そしてほんの数十メートルだけ、両岸に迫った崖が流れを迎える。

岩を流れ下る水しぶきの音を聴きながら、

計り知れないほどの長い時間をかけてつくられた、この幻想的な自然と一体になる。

なにもかもがこの澄んだ碧い流れにとけてしまうような感覚。

精霊の存在さえ感じるような。